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Salon de Lyon 2013

3月13日、リヨンに向かって出発しました。
Salon de Lyon 2013_f0062031_059445.jpg出発の数日前からフェイスブックではヨーロッパの人たちが「パリが大雪だ」とか言っていましたが、そんなことは他人事で、まさか自分が関係してくるなどとは思ってもいませんでした。
当日成田に着き発着案内の掲示板を見て私は愕然としてしまいました。私の乗るはずの10:25発のフランクフルト行きが、なんと、16:10に変更になっているではありませんか。もう6時間近く出発がおくれることになります。
ということは、フランクフルトでリヨン行きへの乗り継ぎができないことは確実になりました。

とりあえず自動チェックインはやめてカウンターに並ぶことにしましたが、その列が全く進まず、結局2時間も並びやっと自分の番になったときには、もうそれだけでクタクタという感じでしたが、これからの交渉が肝心です。

何とか今日中にリヨンに着きたいと告げると、今から振り替えれるフライトはウィーンかミュンヘン乗り換えと言われ、ウィーンは乗り換え時間が一時間、ミュンヘンは4時間以上あるといわれ、さらにウィーンは小さな空港なので一時間でも可能だとも言われました。さっさと乗り換えてリヨンにたどり着くか、4時間でゆっくりと乗り換えて、ミュンヘンの空港はショップも充実しているので、ぶらぶらと4時間もつぶすか、究極の選択を迫られました。

もうこれだけ成田でごちゃごちゃしたのだから、4時間なんて怖くありません。だいたいその飛行機だって定刻に到着する保障はありませんし、結局私はミュンヘンでの乗換えを選びました。
この選択が明暗を分けることになろうとはそのときは想像もできませんでしたが、本当に「急がば回れ」とは昔の人は良いことを言ったものです。

ボーディングパスを受け取り、まだ時間があったので、とりあえず予約してあるリヨンのホテルに「夜中になるけれど必ず行くから部屋をキープしておいて」のメールをしました。

13時発の飛行機に乗り込み、離陸を待つだけと思ったころには「予定通りの飛行機だったらもうロシアの上空を飛んでいたんだろうななんて考えていました。
ところがいつまでたっても飛行機は動き出す気配がなく、とうとうアナウンスが入り「暴風のために滑走路が閉鎖されております。しばらく離陸できることができません。」という信じられないような事態になりました。

もう、泣きっ面にハチ、とはこのことでしょう。おまけに一人旅。この先の旅路が思いやられます。

結局3時間半も遅れて飛び立ったその飛行機がミュンヘンに到着し、ありあまる乗り換えの時間をどう過ごそうかと心配していたのはまったく関係なしということに。ギリギリで無事にリヨン行きの飛行機に乗ったころにはもうグッタリとしてしまい、
もうどうにでもなれ、と開き直っている自分にちょっと呆れてしまいました。リヨンの空港を出るころにはもう11時を回ってしまい、タクシーでホテルに向かいましたが、なんとなく遠回りをされているような気がしましたが、もういい。
とにかく早くホテルについてお風呂に入りたい!!

ホテルに着きお風呂に入るともう食事に出るのが面倒になり、結局持っていった「緑のたぬき」とこっそりスーツケースに忍ばせていたプレミアムモルツをプシューッと開けて、遅めのディナーとなりました。
食の街リヨンで最初のディナーがこれとは・・・・。
でもなぜか美味しかったと思ってしまうのは、醤油味のせい?ワタシニホンジン!!!???
とにかく、とっても長かった一日は終わりました。

二日目

今日は作品のエントリーとブースのセットアップがありますが、まだスタッフの準備もできていないだろうと思い、とりあえず、搬入の前に織物博物館と装飾博物館に行ってみることにしました。

Salon de Lyon 2013_f0062031_114357.jpgフロントで地図をもらい、どのバスに乗ればいいかを聞くとリヨンのバス路線はわかりやすいので結構簡単に行くことができます。
切符を買い指定された番号のバスに乗り込み周りの景色を楽しんでいましたが、なにせ今度の旅は不幸の連続だということを思い出し、降りる場所を誰かに確認したくなり隣に座った女性に英語で話しかけました。
するとその方は思いがけず英語で答えてくれ、おまけにその人は織物博物館の職員だと言うのです。
この旅が始まってからの初めての幸運にちょっとうれしくなり、話も弾み、結局その人は博物館の中を案内してくれました。

リヨンはご存知のとおり、食の街であるとともに織物の街でもあります。収蔵されているものはほんとうにすばらしいものがあります。

日本通だというその人は日本のいろいろなことをご存知で、私も昔はテキスタイルデザインをしていたことがあるので、つかの間の楽しい時間を過ごすことができました。

Salon de Lyon 2013_f0062031_17945.jpg彼女と別れお昼をとろうとベルクール広場の近くのレストランに入りました。英語のメニューがなく、フランス語がわからない私にはちんぷんかんぷんで、でもウェイターのイケメン青年は英語を話すので、「私は何でも食べられるから、あなたのお勧めのものを頼んでね。でもたくさんは食べれら
ないからね。」というと彼はこの店で一番小さなポーションだといってハンバーガーを薦めてくれました。ハンバーガーと言ってもマクドナルドを想像してはいけません。ちゃんとした牛肉がミディアムレアで焼かれており、結構なご馳走です。

また同じ番号のバスに乗りホテルに帰って、いよいよこれからがお仕事です。
会場に行くともう知った顔があちこちでブースをセットアップしています。今年のコンペティションは私は「ベストプロフェッショナル」のカテゴリーで登録してあります。去年は普通のプロフェッショナル部門でしたが、今年は世界の有名ペインターと一緒に並べてもらおうかと・・・。

去年は運よく1stプライズをいただきましたが、柳の下にドジョウは二匹はいないことはよーく知っています。それならいっそ最高レベルでのコンペティションに参加してみようと自分で決めたのです。っていうより、あまり物事を深く考えていない・・・(笑)。
作品は名前が見えないように厳重にシールで隠されます。皿立てももちろんそうです。(って私の知り合いに審査員はいませんが。)

ブースはスイス人のMの隣です。彼女はスイスの有名なコンベンションを主催している有名人です。ちょっと怖い感じの人で、なぜかちょっと緊張します。三日間お隣さんになるわけですから。

準備をしていると搬入を済ませたBondがやってきました。彼とはタイ以来の再会です。7時からのオープニングカクテルパーティの時間までお茶を飲み過ごしました。

Salon de Lyon 2013_f0062031_125792.jpg7時になるとセットアップを済ませた人たちが集まってきて、カクテルパーティです。チーズやハムをつまみながらワインを飲み談笑していると、8時間の時差のある国から参加している私にはちょっと辛い時間となります。
とうとう我慢できなくなり、皆さんにおやすみなさいをしてホテルに引き上げました。






三日目
Salon de Lyon 2013_f0062031_17515.jpgコンベンション初日です。
お客さんが来る前に早めにブースに行き、準備をします。








Salon de Lyon 2013_f0062031_183992.jpg隣のM,その隣のM、向かいにはアメリカからIPATのChariママにNancy姉さん、そしてその隣にはニースのHさんと知った顔ばかりです。








Salon de Lyon 2013_f0062031_19256.jpg反対側の隣には美しいオーストラリアのDebiがご主人と坊ちゃんを連れて参加しています。彼女とは香港のコンベンションでお会いしたばっかりなので、楽しくできそうです。
開場と同時にものすごい数の人が入ってきます。
なんだかんだとフランス語で質問されると私はお手上げですが、なんと隣のMさん、親切に通訳してくださいます。見かけとは違ってとてもやさしい人なのにちょっと感激。





Salon de Lyon 2013_f0062031_110226.jpg今夜はCheriママの主催でホテルのバーを貸切にして、主たる参加者がPeter Faustのバースデーパーティに集まります。和やかで楽しいパーティです。
ここで面白い話をひとつ。







Salon de Lyon 2013_f0062031_1104789.jpg今年の日本人の参加者は私一人です。アジア圏からはタイから参加のボンドがいるだけです。私とボンドが一緒にいると誰かが私に「your husband?」と聞いてきたのにはビックリ。彼は実はゲイで、それは周知のことだと思っていたのですが、背の高い彼は知らない人にはストレートに見えるのでしょう。おまけに彼は私より一回り若い。ごめんね~、ボンド。


四日目
Salon de Lyon 2013_f0062031_1124258.jpgコンベンションは二日目です。今日もたくさんのお客さんが来ます。
私の隣の隣のブースはフランスの雑誌のパブリッシャーです。ボルドーから来ている彼らは、お昼時になるとワインを出してチーズやハムを取り出し、ブースで食べ始めます。ところが回の人たちにもプラスチックのコップでワインをご馳走してくれるので、私たちも昼真っからワインを飲みながらのお仕事になるというわけです。

突然「名刺いただいても良いですか?」と日本語で話しかけられビックリ。振り返ると日本人の女性が微笑みながら立っています。
ここに来てから日本語を聞いていなかったので、本当にうれしかったこと。フランスでポーセリンペインティングを習っているという
その人は、私がわざわざそのコンベンションのために日本から参加していると知り驚いていましたが・・・・。
どんなに物好きかとおもわれたのでしょうか・・・・(笑)

今日はガラ・ディナーがあります。

Salon de Lyon 2013_f0062031_1153771.jpgヨーロッパの人たちは、とてもオシャレです。TPOをとても意識するので、このようなパーティの時にはばっちりとオシャレをします。
お食事はもちろんフランス料理で、食の街らしくフォアグラのサラダから始まります。
食事がすすむといよいよ今夜のメインイベント、コンペティション部門の受賞者の発表です。
次々と受賞者が呼ばれ、なんと幸運にも私も受賞をしてしまいました。いないはずの二匹目のドジョウを捕まえてしまったのです。
ベストプロフェッショナルの部門では、まず先に3位のハルンが呼ばれ、2位の私の名前が呼ばれました。私がメダルを受け取り席に戻るとフランス人のBちゃんが私のメダルを見てちょっと怪訝な顔をし、Harunのメダルと取り替えて「これでよし」というのです。どうもメダルを渡すスタッフが二位と三位のメダルを取り違えたらしい。
するとHarunが「桂子が僕のメダルを取った~」と言ったのでみんな爆笑してしまいました。

Salon de Lyon 2013_f0062031_1155561.jpg実を言うと今回は受賞できるとは思っていませんでした。テーマは「light」でしたが、何を描いてよいものかぜーんぜん思いつかず、光の三原色をテーマに使った作品を最終焼成で100度も高く焼いてしまい、色は退色してしまい、装飾に使ったビーズもドロドロに溶けてしまい、気を取り直して再度描いてはみたもののどうも気に入らず、出発間際でデザインを考え直しギリギリで仕上げたものでした。

でも、賞は賞です。嬉しいことに間違いありません。
去年はFやS子さんとのトリプル受賞で盛り上がりましたが、今夜は1人で喜びをかみしめましょう。

五日目
さすがに今朝はちょっと疲れが出てしまい、朝食をBちゃんたちととった後に部屋でぐだぐだしてしまいました。
ブースに行くと隣のMが覆っていた布を取り、テーブルのセットをしていてくれました。本当にみかけによらず(ゴメン)優しい人です。
みんなが「受賞おめでとう」と声をかけてくれます。昨日 受賞者が発表されたので、今日はそれぞれの作品に名前がついています。
受賞した作品には賞状が置いてあります。今日は早めにブースを片付け、作品を搬出します。Debiの坊っちゃんのAlexは私とお菓子を交換したりしてかなり親しくなってしまい、別れるのがちょっと悲しい。

Salon de Lyon 2013_f0062031_117683.jpg今夜はBちゃんのお友達でリヨンにお住まいのモニックさんからディナーにご招待いただきました。
ダウンタウンからちょっと離れた住宅街にあるお住まいはまるで映画のように素敵で、夜だったのでお庭があまり拝見できなかったのがちょっと残念
でした。






Salon de Lyon 2013_f0062031_1172864.jpg食前酒のシャンペンとと前菜を頂きながら和やかなムードになったころにテーブルに案内されます。
お嬢さんがされたというテーブルセッティングはとても楽しく、たぶん今日のメインディッシュは魚だからでしょう。海のイメージのカラーに魚の
かたちに切り抜いた布にそれぞれのゲストの名前が書いてあります。手作り感があってとても暖かい雰囲気作りをしています。



Salon de Lyon 2013_f0062031_1175096.jpgお料理はご主人のロバートさんが取り仕切っており、美しくデコレーションされたお皿が次々にサービスされます。私は特に小食な人ではないはずなのに、なんでみんなそんなに食べられるのか不思議です。あー今日一日だけでも私は大きな胃袋が欲しい。心からそう思いました。





Salon de Lyon 2013_f0062031_1191147.jpg
デザートの前にチーズを出された頃にはもう私はギブアップ。それでも、ちょっとだけでも食べたい(笑)。
デザートのチョコレートムース、とても美味しかったのに、完食出来なかった私、なさけない(涙)。






Salon de Lyon 2013_f0062031_1193497.jpg

それにしてもあれだけたくさんのお皿やグラス、どうやって洗ってどうやって片付けるのだろう・・・・・なんて、妙に気になってしまう私です。








Salon de Lyon 2013_f0062031_120283.jpg楽しいディナーは終わり、またの再会を約束して私たちはお別れをしました。

最終日
今日は帰国します。
フランクフルトのお天気が気になり、毎日インターネットでフランクフルトのお天気をチェックしていました。昨日は雪が降ったようだけれど今日は雨になっているはず。
それでも何かあったら心配なので、予定よりかなり早めにホテルをチェックアウトして空港に向かいました。
空港でチェックインを済ませると、見たような顔に出逢いました。ギリシャから1人で参加されていたレナさんです。聞いてみると同じ便でフランクフルトへ向かうことがわかりました。出発まで楽しく過ごせそうです。
ところが、またまた出発が30分も遅れてしまい、レナさんはフランクフルトからチューリッヒに飛んでそこからアテネに向うというので慌ててしまいます。
あとで連絡が来て無事に乗り継げたとのこと、本当に乗り継ぎ便はひやひやものです。

フランクフルトで6時間、どうやって時間をつぶそうかと心配していましたが、空港のカフェに入りソーセージをつまみにビールを飲みながらインターネットをしていると時間はどんどん過ぎて行きます。
やっぱりパソコンとモバイルwifiを持って行って正解でした。

出発前から何かと問題の多かった旅ですが、行って本当に良かったと心から思います。
なんでも諦めなければ何とかなるもんです。って、どこまで脳天気なのは私だけかしら?
とにかく、終わりよければすべてよし、ってことにいたしましょう。

さーてと、休む間もなく来月の教室展の準備をしなくてはなりません。再来月にはパリのコンベンションに参加します。
誰にも文句は言えません、こうして忙しいスケジュールを組んでいるのは私自身なのですから。
by matsurika-art | 2013-03-21 01:30 | 海外のコンベンション

ポーセリンアート(上絵付け)に関するちょっとした話題、ささやかな日々の出来事などを気ままに綴っています。

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