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タイのコンベンション TIPP2015

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今日は、明日から始まるTIPP(Thailand International Porcelain Painting)コンベンションの搬入日です。
バンコクから車で1時間ほどかかるバンサイというところにある国立ののクラフトセンターで開催されます。
バンコクの友人が一緒に行きましょうと誘って下さったので助かりましたが、バンコクからの公共の交通手段がないので個人参加はちょっと大変です。
会場でレジストレーションを済ませ、ブースをセットアップしやれやれと思っているところへ見覚えのあるお顔がやってきました。
いままで2回ほど外国のコンベンションでご一緒したことのあるKさんです。彼女の九谷の先生であるY氏が今回ゲストアーティストとして招待されているので、彼女は通訳を兼ねて参加をされているということでした。Y氏は奥様を同伴されていました。
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搬入を済ませランチを済ませると今夜からの宿泊先であるアユタヤのホテル「Sala Ayutthaya」に車で30分ほどで到着しました。
実はこのホテルとても新しいリゾートホテルだそうで、タイにしては結構お値段も高い。バンコクでそのホテルに泊まるという話をすると皆さん興味深々で、「どんな部屋なのか、着いたら必ず部屋の写真を送ってね」と言われています。
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ロビーはギャラリーになっていてとても素敵です。二階建てのこじんまりとしたホテルなのでエレベーターはありません。ちょっと変わったつくりです。
川の向こうに遺跡は見えるし、ロケーションは最高です。
部屋は打ちっぱなしのコンクリートの床と黒で統一されたカウンターに生成りのカーテンがとてもスタイリッシュですが、とても大きな丸いバスタブが部屋の真ん中にドーンとあるのにはびっくりしました。しかもガラス張り。ベッド側に目隠しのカーテンが引けるようにはなっていますが、何かなぁ~。
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服を入れる引き出しは無く、クローゼットのドアも仕切りもなく、服は畳んでクローゼットの台の上に並べておくしかありません。どうしても片付かない感じなのは仕方がありません。お茶を飲むテーブルも椅子もなく、高すぎるベッドの足もとに置かれている大きなスツールに座り、円い小さなスツールを枕元からズズズズーッ
と引きずってテーブル代わりにするしかありません。
しかもキングサイズのベッドが高いので一度乗ったら降りたくない。
大きなベッドと、これまたバカでかい円形のバスタブが部屋の真ん中に鎮座している・・・・これって、新婚さん用としか考えられないよね。
いくらリゾートホテルでも、私は1人なんすけどぉ!! ハッキリ言って、くつろげない!!!
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でも、冷蔵庫の中の飲み物は充実していて、これだけはまあ、満足!

それでも1人はなんの気兼ねもいりません。ばかでかいバスタブにお湯を張り、手足を伸ばして「あー、極楽、極楽」なーんて。
お風呂上りにビールでまったりしていると、コンベンションの関係者から「Congratulations」のメッセージが届きました。
先程コンペティションの審査が終わり、私が何か賞をもらったらしいのです。
どんな賞でも、賞は賞、嬉しいものです。

次の朝、ホテルのフロントに行くと昨日会場で知り合ったスペイン語の通訳さんにばったり会いました。そしてタイ人の彼女はこれからトゥクトゥク(小型3輪車を改造した乗り合いタクシーのようなもの)に乗って朝市に買い物に行くけどよかったら一緒に来ない?と誘ってくれました。とはいっても私は朝食をとりにレストランに行こうとしていたのでお財布と携帯しか持っていません。
一瞬どうしようかと迷いましたが、「30分で帰って来る」という彼女の言葉に思わず「OK」。
彼女がチャーターしたトゥクトゥクは先客の制服を着た小さな子供が3人乗っていました。しばらく走ると一番年上とみられる子が小学校の前で降りました。
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そしてまたしばらく走り朝市に着きました。通訳さんは運転手とタイ語で「このへんで待ってて」らしい言葉を交わし、私達はマーケットの中に入って行きました。
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古都アユタヤの朝市は生活感がいっぱいです。まだ朝の7時半だというのにたくさんのお店が開店しています。ベンチの上で寝ているオジサンもいたりしてぎょっとしたりしますが、制服を着た通学途中の女子学生も買い物をしていたり、仕事に行く途中の人が朝食を取ってたりしています。通訳さんは仲間に頼まれたといって何やら現地の食料を買っていました。

朝市を出ると、さっきのトゥクトゥクが待っています。驚いたことにさっきの子供も2人そのまま乗っています。しかも何やら今そこで買ったようなお菓子を食べています。私が彼女に「子どもたち、学校に間に合うの?」と聞くと、「父親が大丈夫と言っているから大丈夫よ」とトゥクトゥクの運転手を指さしました。
「あーん、なるほどね」このトゥクトゥクは子供たちを学校に送って行きながら商売をしたのね、と理解しました。
トゥクトゥクは来た道を引きかえし途中の幼稚園で子供たちは降り、私たちもホテルに戻ってきました。
期せずして行ったささやかな冒険旅行、何かとても得した気分でした。

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コンベンションの会場に行くと、知っている顔が「Congratulations」と声をかけてくれます。私が「私はどんな賞を頂いたの?」と聞くと「何言ってるの!グランプリよ!王女様から直接トロフィーを頂けるのよ」と聞き、びっくりしました。正直言って、グランプリは当然タイの人がとるものだと思っていましたから。
日本人の私が頂けるなんて思ってもいませんでした。
最後のガラディナーの時にトロフィーを頂けるそうなのです。

私はこの時密かに「着物持ってきてよかった」と思いました。暑いし、パーティはワンピースでいいか、と思い、出発直前まで迷いましたが、結局かさばらない夏用の単衣の着物をスーツケースに収めたのでした。でも、こんなことになるんだったら、ちゃんとした袷のもっと良い着物を持って来るんだった。
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会期中の4日は長い、と最初思いましたが、ブースに座って近所の人とおしゃべりしたり、デモを見たり、周りで買い物をしたりしていると結構時間は経つものです。
夕方になると少しだけではありますが寺院巡りをしたり、バンコクの日本レストラン行ったりしているうちに最終日を迎えました。

最終日は会場に行くと正面玄関にはレッドカーペットが敷かれ、上にビニールが掛けられています。入場者は別の入り口から入るように指示され、そこには空港のセキュリティチェックよりも厳しいチェックが待っていました。
王室が見えるからでしょう、私たちは厳重にチェックされました。
更衣室でみんな正装に着替え、パーティの時間を待ちます。
時間が近づくと何十人もの軍服をきた兵士や警官が警備にあたり、ちょっと物々しい雰囲気です。
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私は授賞式のリハーサルをさせられ、タイ式のおじぎと表彰状の頂き方を練習しました。床に印がつけられ、ここでおじぎをして、頂いたらここでターンをして、と間違えないようにちょっと緊張してしまいます。

それからみんな所定の位置に立つように言われ、王女様の到着を待ちました。ずーっと立って待っているのでだんだん足が痛くなります。スタッフの女の人はハイヒールを脱いで横に置いて待っています。その間もずっとセキュリティの人が無線で王女様がどのあたりにいらっしゃるかを連絡を取り合っていました。結局はヘリでいらしたそうで、そしていよいよ王女様がご到着され、なんと生演奏の国家(だと思う)と一緒に入ってこられました。

60歳だとおっしゃるシリントーン王女はタイ国王ラーマ9世とシリキット王妃の間にお生まれになった王位継権をお持ちの王女さまです。黄色のタイシルクのスーツをお召しになった白髪交じりのプリンセスは、気さくな感じではありますがたいへん貫禄がおありの素敵な方でした。
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私はパーティの前の授賞式で無事に賞状を頂き、トロフィーもいただきました。
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パーティでは民族舞踊が披露され、モダンジャズの演奏がありとてもフォーマルなパーティで、普段では味わえない雰囲気です。何てったって、プリンセスと一緒にお食事しているのですから!!!
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歓談しながらのお食事が終わり王女様が退席されるとパーティはお開きになります。

そしてブースを片付け、作品を搬出してホテルに帰り、明日日本に帰るので荷物のパッキングです。
荷づくりのメドがたち、例のバカでかいバスタブにお湯を張りゆーったりと浸かってくつろいだころ、バンコクの友人からLINEが来てテレビのニュースで私が映ったというのです。
どうやら今日のことをニュースでやったらしいのです。見たかったなぁ・・・・・。

次の日は九谷の先生ご夫妻とKさん、そして私の4人でバンをチャーターしてバンコクを観光することになっています。4人とも目的地が違うので飛行機はバラバラなのですが、フライトの時間が皆遅い便なので話は決まりました。
ところが朝、チャーターしたバンを見てびっくり。コンベンションで知り合ったチェンマイのペインターがちゃっかり乗っているではありませんか。
確かに彼女は親切な人ですが、親切さが度を超すことがあり正直言ってちょっと迷惑(笑)。Kさん曰く「どうしても私が案内すると言って聞かなかったの」「仕方ないね、タイ語が出来るから頼もうか」ということになり、旅は道連れ・・・・ということになりました。
暑い暑い バンコク。日本の友人たちから「日本はすごく寒いよ~」のLINEが来て、こわごわと帰国の途につきました。
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日本に帰るとタイの友人たちから、例のニュース番組の動画が送られてきて、私も見ることができました!!!
うーん、やっぱりもうちょっといい着物を持っていくんだった・・・・・・・・・・。

会場の様子など動画をご覧になりたいかたはこちらからどうぞ
by matsurika-art | 2015-03-25 01:30 | 海外のコンベンション

ポーセリンアート(上絵付け)に関するちょっとした話題、ささやかな日々の出来事などを気ままに綴っています。

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