2022年 11月 14日
また金沢へひとり旅
PAマスタークラブの展示会が終わってすぐ、私はまた一人で今年2回目の金沢旅行をしました。
金沢の国立工芸館で開催中の「ジャンルレス工芸展」を見に行くことにしたのです。
国立工芸館は以前は東京の近代美術館の隣にあって、いつも空いているのでちょっとまったりとするには好きでしたが2020年に金沢に引っ越してしまったのです。
金沢へは今回は飛行機ではなく新幹線を使いました。
実は最近「大人の休日倶楽部」というのに入会したのでJR東日本はかなりお得に乗れるはずなんですが・・・・
金沢へ行くには途中の上越妙高までがJR東日本なので、なんかとてもややこしいのです。
チケットはえきねっとでとったのですが、チケットレスでは割引にならないので紙の切符を発行しなければなりません。
最寄駅から金沢までの乗車券と、東京から上越妙高までの新幹線特急券、上越妙高から金沢までの新幹線特急券、
そして東京から上越妙高までの指定席券、上越妙高から金沢、までの指定席券、とまあ片道5枚、往復で10枚の切符を持って出かけることになりました。
寒いと聞いていたのにお天気も良く新幹線も空いていて窓からの景色も良い眺めです。
大宮から富士山がこんなにも良くみえるなんて知りませんでした。
朝の9時半にはもう金沢駅に到着していました。
駅の観光案内所でバスの路線図をもらい、バスの乗り方を係の人に教えてもらいました。
まずホテルに荷物を預けて、近江町市場で早めの昼食をとろうとぶらぶら歩いていたら、コロナのために春には開いていなかった九谷焼のお店が開いているのを発見しました。
あとで覗いてみましょう。
近江町市場の口福さんは有名店らしく開店前からお客さんが並んでいました。
私は春に来た時にはの「どぐろひつまぶし」を食べて美味しかったので今回も食べようかと思いましたが「市場の海鮮丼」がおいしそうだったのでそちらを選択しました。
さずがにこちらも美味しかったです。口の中でとろけるような美味しさでした。
観光案内所で教えたもらったバス停から、バスで10分ほど乗ると工芸館に近いバス停「出羽町」に着きます。
兼六園の周りをぐるっと通る道はお天気も良くて気持ちがいいです。
春に来た時には開いていなかった工芸館、やっと入れます。
流石にジャンルレスというだけあって、もうお亡くなりになられた人間国宝級のかたの作品や若手の作家さんたちの作品、陶芸、染織、平面デザイン、立体デザイン、ガラス、人形と多岐にわたって展示されていました。
ここで私の大学時代の同級生の作品が展示されていてびっくり。繊細な織りで、本当に綺麗でした。みんな頑張ってたんだな~。
見附正康さんや牟田陽日酸などの若手の作家さんたちの作品はもちろん素敵ですが、蒔絵師の人間国宝の松田権六さんの古い制作ビデオがとても面白く長時間見てしまいました。
外へ出ると隣は県立美術館です。「何をやってるのかな?」と覗いてみると、今日は展示替えのために企画展はお休みとのこと。
仕方がないのでぶらぶらと21世紀美術館へ行くことにしました。
企画展はイブ・クラインです。単色で作品を制作するので有名な人で特にブルーの色にこだわっていますがブルー以外の色も随分とこだわりがあるようです。
写真は撮れませんでしたが、それでも空間デザインの部屋は洗練されていて綺麗でした。
ここのカフェでちょっと一休み。
ガラスを通して向こうに有名なオブジェ「カラーアクティビティハウス」が見えます。ここのオブジェで私が一番好きなオブジェです。
色の3原色の赤、青、黄色の渦巻き状のガラス板をとおしてみる世界はとても面白く、私の大好きな絵本、レオ・レオーニの「あおくんときいろちゃん」を思い出してしまいます。
まだ時間があるので金箔博物館まで行けそうです。
バスに乗って向かいます。
若いお嬢さんたちはレンタル着物を着て歩いている人たちも多く見かけます。
でも・・・着物の下にレースのハイネック?それにアームカバーもしています。
オバちゃんには奇妙にしかみえませんな~。
金箔博物館に着くと閉館まではまだ時間があるのにお客さんは誰もいません。
20年以上も前ですが、九谷焼の職人さんに金箔の貼り方を教わりに来たことを思い出しながらゆっくり見学することができました。
しかし金箔の作り方もこんなに分業制になっているとは知りませんでした。
博物館を出る前に受付のおねえさんに駅まで行く方法を聞くと「歩いて20分くらいです」と言われたので歩きましたが、私の足では30分もかかってしまいました。
考えてみたら若いお姉さんと私では足の長さもペースも違うんですよね。
今日の夕食は加賀料理のお店を予約しています。今日は18,000歩も歩いてしまいました。
2日目
今日は能美市の陶芸村に行くことにしました。
平日行っても大したことないよ、とは言われていたのですが、どうしても気になるので「大したことない」のを自分の目で確かめないと気が済みません。
金沢から北陸本線で30分、能美根上駅で降りました。確かバスがあるはずなのですが、たった今出発した後のようでした。
タクシーもあるはずなんですが、タクシー乗り場はあってもタクシーがいません。
「どうしようかな・・・」としばらく待っていると、一台のタクシーがやってきました。
運転手さんに聞いたところによると、いつもは2台暇そうにだべっているのだけれど、ちょうどこのときは2台とも出払っていたということでした。
タクシーで20分くらい、五彩館のまえで止めてもらいました。
なんか閑散としています。入館料430円を払って中に入ると見学者は私一人だけです。
朱赤の間、紺青の間には草創期から現代までの美しい九谷焼の作品がたくさん展示されていて、紫の間には現代の若い作家さんたちの作品が展示されていました。
2階の黄色の間には九谷焼の伝統的な作り方や陶石などが展示され興味深いものでした。
お隣の浅倉五十吉記念館はエントランスがとても素敵で真夏に来たらさぞかし気持ちがいいだろうなと思いました。ここでは福島武山さんの特別展が催されていました。
陶芸村にはショップがいくつも並んでいますが、平日のためかお休みしているお店も多いようでした。それでもお店をのぞいて歩くのは楽しいものです。
白磁はもう買わないと決めているのに、九谷の白磁をみつけるとどうしても買いたくなってしまいます。これに自分のデザインで九谷の絵の具で遊んだら面白いだろうな・・・
とか。九谷の絵の具は普通の白磁にのせるとどうしても剥がれてしまうのです。ボーンチャイナならできないことはないけれど、ボーンチャイナやニューボーンだとちょっとテイストが違ってきます。
残念だ~。
買い物も済んだし、お茶も飲んだし、帰るとしましょう。
ここは平日は1時間に一本しかないバスでしかも一番近いバス停から10分も歩かなくてはなりません。
さっき乗ったタクシーの運転手さんに携帯番号を教えてもらっているので電話して迎えに来てもらいました。
まだお昼ちょっと過ぎだし、お腹は空いてないし・・・・・・
(最近私は時間が来たら食べるということをやめて、お腹が空いたら食べることにしているのです。)
ここまで来たのだからこれから加賀市の九谷焼美術館へ行ってみましょう。
どうせ気ままな一人旅なのですから予定を変更しても誰に気兼ねすることもありません。
ここから電車で大聖寺駅まで30分。・・・・・ですが電車の本数が少ないのでだいぶ待ってから電車に乗りました。
場所は春に来たから分かっています。
九谷焼美術館に着いたらカフェで美味しいお抹茶を頂こう・・・・・そんなことを考えながら入り口に着きました。
なんか様子がヘン、閑散としています。
入り口のドアが開きません。よく見ると「休館日」の立て札が!
ガビーーーーン!!! 展示品入れ替えのために休館日となっていました。
元々来る予定ではなかったのでよく確かめずに来た私が悪いのです。
急にお腹が空いてきました。とは言っても周りには食事をするようなところはありません。
しかし、そんなこともあろうかと、私は朝コンビニでおにぎりを買っていたのです。
周りはきれいな公園だし、暖かいしくつろげるベンチもあるし・・・・。私はおにぎりを出して遅めの昼食タイムとなりました。
トンボがたくさん飛んでいました。ぽかぽかといい気持ちです。ま、こんなこともあってもいいか~。どうせ誰も文句言わない1人旅だし・・・・。
ここは駅から近いのでぶらぶらと歩いて駅まで戻ると、来るときは気が付きませんでしたが春には無かったオサレなカフェが駅に出来ているではありませんか。
トイレもだいぶ綺麗になっています。
また電車に乗り、今度は各駅停車で1時間くらいで金沢まで帰ります。
今日は居酒屋を予約してあります。
最終日
北陸は太平洋側よりも日が昇るのがちょっと遅い気がします。
朝テレビのニュースを見ていると、今日から県立美術館で「伝統工芸展」が催されることを知り行ってみることにしました。
だから一昨日はやっていなかったんですね。
ホテルをチェックアウトして荷物を預かってもらいバスで向かいます。
初日の朝のせいか、関係者が多いらしく作家さんとおぼしき方たちがたくさんいます。正装をした人たちの中に私みたいなリュックを背負ったオバさんが入っても良いのかな~、とちょっと気後れしましたがだんだんと一般の人も増えてきました。
伝統工芸展の会員さんたちの展示会なのでもちろん写真撮影はNGでしたが、素晴らしい作品を見られたことはとてもラッキーでした。
と、ここまでくると隣で催されている展覧会「ジャンルレス工芸展」にもう一度行きたくなりました。なんてったって国立工芸館は65歳以上は無料なんですがか行かないという選択肢は私にはありません。
何度見ても楽しいし、何度見ても素晴らしいものは素晴らしい。
そのあと日本三大庭園のひとつである兼六園に行き、美しい庭園を初めて散策しました。ちょうどお腹も空いたので公園の中の茶屋で昼食にお蕎麦を頂きました。
平日なのに人出はまあまあで外国人の観光客も増えてきたようです。みんなマスクをしてくれています。
兼六園から金沢城へ歩きました。お天気が良く暑いくらいです。
太陽がまぶしいので白内障予防のサングラスは必須です。
五十軒長屋の見学料も入り口で身分証明書を見せると65歳以上は無料でした。
歳をとるのも悪いことばかりではありませんね。なんか得した気分です。
金沢城公園の中を散々歩き、最後に休憩所のカフェでお抹茶を頂きました。ちょっと疲れたので甘い練り切りがとても美味しいです。
新幹線の時刻が近づいてきたのでバス乗ってホテルに預けた荷物を取りに行き駅に向かいましたが、ここでお土産を何も買っていないことに気づき、日本酒を一本購入しました。もちろん、自分用です(笑)。
色とりどりの九谷焼の小皿、だいたい1,000円くらいで売ってます。私はいらないけど(笑)。
今回のひとり旅は工芸三昧の三日間でしたが、行きたいところへ行ったし美味しいものも食べられたし、九谷焼美術館が閉館してたのは残念だったけれど、まあ、満足満足の旅でした。
by matsurika-art
| 2022-11-14 00:43
| 展示会/展覧会のこと