2021年 01月 23日
イヤープレートのこと
2021年に入ってはや一か月が過ぎようとしています。
本当に月日の経つのは早いものです。
コロナ騒ぎになってから約一年。
海外のコンベンションやセミナーもなくなり、気の抜けた感じになりました。
とはいっても暇なわけではありません。週末になると孫2人を連れた息子夫婦がやってきててんやわんやの騒ぎになりますから。
二回目の緊急事態宣言が出てから約2週間になりますが、感染者は目立って減っているようにも思えず・・・・・なんだか、「はぁ・・・」って感じです。
お教室も休みにしてしまったので、この間にたまっているイヤープレートを描くことにしました。
2000年から毎年、大倉陶園のクリスマスプレートにポートレートを描いています。
初めて描いたときは私が大倉陶園のペインティングスクールに通っているときで、「人物を描きたい」と言ったら当時大倉の主任教授でいらした角田先生に「ポートレートか・・・」と、ちょっと引かれましたが、「なるべくお手をかけないように自分で一生懸命描きます」と言って了解して頂きました。
2000年はカナダで買った絵葉書の母子の絵がとても素敵だったのでそれを模写しました。それ以降古い画集などから描きたい人物を選び、修行のつもりで模写をすることにしました。
そして2011年、私がドイツの出版社から本を出版したとき、親しくなった編集者がドイツに遊びに来るように誘ってくれたのです。
ミュンヘンのニンフェンブルク宮殿を訪れた時、ルードヴィヒ1世のコレクションである美人画ギャラリーを初めて見ました。
ずらりと並んだ36人の美女たち。知的な人、妖艶な人、まだ若いであろうと思われる人、まったく違った個性を持った美女たちがそれぞれきらびやかな衣装を着てこちらを向いています。
私は図録を買いながら、「この美女たちをクリスマスプレートに毎年一人ずつ描いていこう」と決めました。
この先36年、最後の人まで描けるかどうかわからないけれど、とにかくモデルを探す手間だけは省けそうだ、と。
毎年クリスマスプレートは大倉陶園から買わせていただいていますが、忙しくてどうしても描けないときがありました。それでもプレートはどんどんたまっていきます。
去年は3年分くらいたまっていましたが、コロナ禍で時間がとれるようになりやっと2019年まで描くことができました。あとちょっとです。
ずらっと壁に並んだクリスマスプレートはそれだけで圧巻ではありますが、なによりも見ていると一枚一枚描いた年のことが思い出されます。
「この年は辛いことがあった」とか、「ここからは大倉を卒業してしまったので一人で描くのが不安だった」とか、描いているうちに飽きてしまって明らかに手抜きだと自覚している作品も
あります。
あとどれくらい描けるかはわかりませんが、一枚一枚ゆっくり楽しんで描けたら幸せです。
コロナ禍になって少しは良いことがありました。
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by matsurika-art
| 2021-01-23 23:54
| 絵付けに関すること
2020年 12月 15日
ポーセリンペインティング、世界のマガジン
コロナのせいか何なのか、ここのところ海外のポーセリン関係の雑誌がいくつも廃刊になっていまず。
各地のコンベンションがみなキャンセルとなり掲載する作品が少なくなっているのも一因だそうですが、何と言っても編集者の高齢化が原因になっているようです。
一番最近ではスイスの「Porcelain Flush」が廃刊になりました。
作品も写真のクオリティーも高いので毎回楽しみにしていたのですが残念です。
刊行してから14年。私も2度ほど掲載していただきました。
掲載の依頼があってから編集者とメールで数回の打ち合わせをし、じっくりと8~10ページほど割り当ててくれるので写真も簡単な素人写真というわけにはいきません。
その度にプロのカメラマンをお願いするので大変と言えば大変ですが、送られてきたマガジンを見ると納得してしまいます。
フィンランドのマガジンも「もう終わるかもしれない」と編集者が言うのでどうなるかとドキドキしていたら、最近の号で「もう少し続けることにしました」ということ。
こちらも編集者がご高齢なのでいつストップになるかわからないのが現状です。
いま簡単には海外に行けなくなったので、こんなときこそそんなマガジンから海外の作品の情報を得たいと思うのに、重ね重ね残念です。
確かにインスタやFacebookでいろいろな人の作品は見ることができますが、そんな写真では細部がわからないし、小さな写真になるとどんなものでも良く見えてしまうものです(笑)。
編集者が「これぞ」と思った作品を掲載してくれるマガジンは、それこそ技術やアイディアの宝庫といえましょう。
コロナのせいで、というよりコロナがきっかけでいろいろなことが変わってしまったようです。
ポーセリンペインティング界も皆さんいろいろと大変だと思います。世界中を駆け巡ってセミナーをしてそれを生業としている方たちはいまどうしているのでしょうか。
リモートを使ったセミナーなどをして頑張っている方もいらっしゃいますが、教えるほうも教わるほうも満足度は低いと思います。
早く、一日でも早く、以前のようにみんなが安心して会える世の中になってほしいものです。
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by matsurika-art
| 2020-12-15 13:47
| 絵付けに関すること
2020年 12月 02日
母と福島へ小旅行
父が亡くなって半年になります。
去年、両親と妹と四人で最後に山形に旅行したときに帰りに立ち寄った喜多方のラーメン屋さんで偶然見つけたポスター。
大きなイチョウの木が見事に紅葉しているポスターでした。どこかの神社らしい。
お店の人に聞くと、新宮熊野神社といって近くの有名な神社だということでした。
その時はまだ10月末だったのでイチョウが紅葉していないのはわかっていたけれど、どうしてもその木を見たくなって神社に行ってみました。
なるほど、すごい大木です。
御神木のイチョウの木もさることながら、その後ろに「長床」と呼ばれる拝殿が建っており、太い柱が何十本も等間隔で並んでおりそれが吹き抜けになっているのです。
紅葉したらさぞかし見事だろうと、来年は紅葉のころに来てみようと話しながら帰路につきました。
今年、父はいなくなってしまったけれどどうもあのイチョウの大木が気になるのです。
コロナの感染者は増えてきたけれど、何としても行ってみたい。
そこで母と妹と三人で行くことにしました。
弟からは「ラーメン屋さんは混んでいるから年老いた母を連れて行ってはダメ」と言われ、せっかく喜多方に来たのにラーメン食べないなんて・・・・・
と思っていましたが、長床のイチョウはそんな不満も吹き飛ばしてくれました。
数日前の大風で葉っぱはほとんど散ってしまっていたけれど、長床をバックにした黄色の絨毯は見事なものでした。
そして長床から眺めた樹齢八百年といわれるイチョウも迫力がありました。
平日とあってか観光客もまばらで、ゆっくりと鑑賞することができました。
今夜の宿は会津若松の東山温泉向瀧という旅館です、
ネットで探し、とても古くて由緒のある旅館だということはわかっていましたが、着いてみて驚きでした。
玄関を入ったとたんにタイムスリップしたような感覚に陥ります。
番頭さんの話によるとそこは昔、会津藩の保養所だったところだそうです。
増築に増築を重ねて今の形になったということですが、入り口部分は明治、真ん中は大正、一番新しい奥は昭和10年に建築されたということです。
そんなに古いなんて、よぼど地盤が固いのでしょうね。
何でもほとんどの客室が全部、国の有形文化財になっているとか。
中庭も見事です。
もみじは散ってしまっていたけれど、少し前だったらどんなに素敵だったでしょう。
お料理は会津の郷土料理で、川魚の苦手な人はちょっと無理かも・・・・。
でも、お部屋からの眺めは何よりのごちそうです。
次の日は私の好きな建築物の一つであるさざえ堂に行きました。
白虎隊のお墓のある飯盛山の中腹にあるお堂です。名前のとおりさざえの形をした建物で1796年に建立されてからその形を変えず今は国の重要文化財にも指定されている貴重な建築物です。
世界でも珍しい二重螺旋構造で中は坂道になっており登りと下りがあるのですが、絶対にすれ違わないようになっています。
ここを訪れるたびに思うのですが、中に入るとなんか乗り物酔いしているような感じになります。
コロナ禍の中でのちょっとしたくつろぎの時間でした。
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by matsurika-art
| 2020-12-02 00:09
| 日記
2020年 11月 20日
頑張れPAマスタークラブ
アメリカからポートレートで有名なマリエラさんとか、九谷の赤絵細描画で有名な見附正康さんとかゴージャスなゲストアーティストに来て頂く予定だったのに、本当に残念でした。
でも、コロナになって思わぬ良いこともありました。
オバサン集団の私たちがZoomなんて流行りのものを使ってミーティングや講習会をすることになりました。
Zoomなんて、夫や息子や娘たちが仕事で使い始めたのは知っているけれど、まさか私たちが使えるようになるなんて思ってもみなかったことです。
尻込みをする人たちを励ましながら、パソコンに強いMさんの指導で始めました。80歳代の会員も使えるようになりました。
Zoomを使ったデモンストレーションもやり、見られなかった会員のためにMさんが編集してYouTubeにアップしてくれたので会員なら誰でも何度でも見ることができます。
なんと画期的な私たち!
そして10月の展示会だったはずの日に、今年の共通課題の「窓」をHPにアップすることができました。
事情があって描けなかった会員もいますが、仕上がり次第いつでも追加することになっています。
作品はPAマスタークラブのHPでじっくり見ることができます。
そして、今年は総会もZoomで開催することができたのです。
いつもなら10~20人くらいしか参加しない総会なのに、なんと今年は半数が参加してくれました。
北は北海道、南は九州、そしてインドネシアからも。
しかも交通費はタダ!!!
素晴らしきリモート。
こんなオバサン集団でもコロナに負けないで前向きに頑張っています。
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by matsurika-art
| 2020-11-20 22:19
| P.A.マスタークラブ展示会
2020年 11月 19日
スタイリッシュなカップ&ソーサー
ヴォーグ社で見たものと同じようで、同じでない。
売っているところで聞いたら、制作者が取っ手を間違えて付けてしまったものだという。
「へーえ、そんなこともあるんんだ。」と、即購入。
家に帰って眺めているうちにデザインが決まった。
カッコいいマグカップにしよう!
外側をモノトーンのストライプに決定!それだけではつまらないから内側を全く違うゴージャスなデザインに・・・・
どうせだったらビビットな色を何色も使ってしまおう。デザインは外側と同じ三角柄で・・・・・。
ストライプはマスキングテープだけを使って面倒くささゼロにしよう。
だけど、それだけでは転写紙と何ら変わりはない。
内側にごっちゃりと金彩しよう。これでもかというくらいの・・・。
下描きなしのデザインは筆任せということで・・・・・。
で、こうなりました。
内側の金彩はちょっと複雑ですが私のオリジナル筆を使えば描きやすいし直線もきれいに描けます。
あーら、お星さまのかたちになりました。
そういえば10センチのタイルがあったっけ。
ソーサーになるかも・・・・・。
こういうデザインは作っていても面白いものです。
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by matsurika-art
| 2020-11-19 13:41
| 絵付けに関すること